レザークラフトに挑戦
No.17
2021.11.17
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【 レザークラフトと言えば刻印! その1 】
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コインパースやパスケースを作ってる最中に、時々お手本として見ていた、型紙の完成写真ですが、よく見ると刻印が打たれてる事に気がつきました。
気付いてみると、革製品には、オリジナルの刻印が打たれてる事がほとんどです。
そりゃそうですよね! 自分だけの作品に、自分だけの刻印。
めっちゃ憧れます。
これもレザークラフトならではの醍醐味だと思うので、前回、パスケースを作ってる時にちょっと試してみたのでした。
まぁ、最初は失敗してしまったのですが、逆に、どうにかしてみたい!と思うきっかけになり、挑戦してみることにしました。
※実はこの時、検索していて知ったのですが、消しゴムハンコというジャンルがありまして、とても参考にさせてもらったのですが、後でよく考えると恐らくはこれを発展させれば、この「刻印」の問題の解決が見えて来ると思います。が、それはまた後の話ですw
【目次】
・いや、そうじゃないw
・ともかく手を出してみる!
・樹脂で刻印は作れるか?
・樹脂刻印の試作開始
刻印と言っても、まぁ売ってる物で、好きな文字とか入れられれば良いかなー?
と、あまり深く考えずにネットで検索。
これが、前回少しだけ触れた、失敗と挑戦の切っ掛けです。
調べてると、どうやら革というのは、強い力で圧力を加えると、不可逆的に「跡」が残る性質があり、それを利用して絵を彫り描くというジャンルがある事を知りました。
ちょっと違うかもですが、レザーカービングとかいうジャンルです。
フリーハンドで、自分の好きな模様や文字を彫れれば、
別に刻印を買う程でも無いかな〜と、思ってしまいました。はい。
で、当然、早速やってみた訳です。ええ。
・・・なんだコレ??ww
よくある植物の葉っぱとツル的な模様のつもりが・・・なんじゃコレw まず絵が下手過ぎてお話になりませんし、カービングとはかなり違う、なんかこう・・・傷?汚れ?という、結果となりましたw
うん。 これは違いますw
そもそも絵心が無い癖に、何が描けると思ったのか無駄に革を傷つけてしまった事を大いに悔やみつつ、このジャンルには二度と手を出さない事を固く誓いましたw
という訳で、さっさと頭を切り替えて、当初予定の、文字のみの刻印に挑みます。
安いアルファベットの刻印セットを購入。
セットで数万円するものから、2千円以下のものまでありましたが、一番安いものを選択しました。そういう買い方は良く無い!とあれほど言ってるのに、またですよw
まぁしかし、アルファベットを打刻するだけなので、失敗も何も無いと思いますよね。
いや・・・そうなりますかね・・・orz
文字列は、
レザークラフトを趣味にするにあたって、ついでに、今までやってきたものとか、他にも色んなハンドメイド作品に挑戦しようと思ってたので、それらをまとめて紹介していくサイトを立ち上げようと思い、その為に取得したドメイン名 「FIF PLUS」にしました。
一応、ハギレで練習してからやったのですがねw
刻印は全て同じ大きさなので、各刻印の底辺部分はしっかり合わせて、文字と文字の間隔が均等になる様に注意してやってみたのですが、なんと!各文字の高さが違った様です。
んー・・・そんな事ありますかね?いや、あったんですけども・・・そうですか・・・w
一応、最初に作って親にプレゼントしたコインパースに、イニシャルを打刻できたので、完全に無駄とは言いませんが、
これもちょっと思ってたのと違う結果です。
という訳で、改めて、自分だけのオリジナル刻印があると良いなーと思ったのでした。
自分だけの「刻印」と言っても、簡単に作れる物では無いので、基本的には、そういうアイテムを作ってくれる業者さんにオーダーするのが一般的なんだろうと思います。
なので、私もオーダーしてみようと思ってネットで検索。
何万円もすると思ってたのですが、意外にも思ったより低価格で提供してくれてる業者さんが多く、真鍮でも1万円くらいから作って頂けるようです。アクリル樹脂だったらもっと安くで作ってもらえるようでして、決してそこまで高価では無いと思います。
なので、お金に余裕があれば、専門の業者さんにお願いするのが最善策ですw
・・・私も、それなりに自由に生活が出来てた数年前なら何も考えずにオーダーしてたと思いますw
だがしかし。
今、私は収入がありませんので、趣味の道具に1万も2万もお金をかける、などという暴挙には走れませんw
いや、絶対必須の道具なら仕方が無い部分もあるでしょうが、まだ碌に満足な作品を作れもしないのに、高価な刻印は必須ではありませんからねw
しかも、サイズとかデザインとか、幾つか試したいですが、その度に数千円〜数万円とか、流石にそれはちょっと厳しいです。
もしも?ですが、自分で作れるならば、色々と試せる訳ですし、最終的にコレだ!って決まったものを、業者さんにオーダーすれば良いのですからね。
・・・という訳で、試しに自分で作ってみることにしましたw
本来は真鍮とかアクリル板を専用マシンで削って作る物だとは思うのですが、それを自宅でやるのは流石に不可能です。
なので、出来る範囲内という事で、素手で何かを削って作れないか?やってみる事にしました。
まぁ、中学生の頃にやった版画的なイメージなので、まずは家にあった合板の板で作ってみることに。
はい、失敗w
まぁ正直、途中で気が付いたのですが、合板は柔らかいんですよね・・・w
この板は、実は革ポンチ用のマットにしようと思って買っていた板なのです。その用途であれば、充分に固いのですが。
それと、やはり木は繊維質なので、細かい彫刻が難しいです。ちょっとのミスで木がめくれてしまって、そこで終了になりますからね。ガチの版画職人さんの技術の凄さを思い知りますね。
はい、切り替えて行きましょう。次の素材。
パジコの樹脂粘土。
別の用途で使うつもりで購入していた物で、放置期間が長すぎて固まってしまっていたのですが、意外とコレが使えそうだ!と思って削ってみることに。
意外といけそう!
この時点では、まだロゴ・マークのデザインが決まって無いのですが、それはさて置き、感触としては、どうにか切ったり削ったりできるレベルの固さです。
適当に選んだフォントでロゴを作って、反転印刷したものを、樹脂粘度の表面にカーボン紙を使って転写して、それを彫ってみました。
若干ですが弾力があるので、普通にゴム印にはなりますw
試作型 樹脂刻印 プロトタイプ
樹脂粘土というのは、固いゴムの様な感触で、それなりに彫れはしますが、反発力もあって、決して彫り易い素材ではありませんでした。あまり細かい文字や模様は無理ですね。
※ちなみにこの時、彫刻の仕方などについては消しゴムハンコというジャンルがとても参考になりました。
そして・・・当然というか、ゴム印的な使い方が出来るのですが、それはつまり、革への刻印としては、ちょっと柔らか過ぎる、という事でもあります。
実際、やってみましたが、革には薄っすらとしか刻印できませんでした。
押し付ける強い力を、素材が吸収してしまい、革にしっかりと圧力が掛らないのです。
もっと固い素材じゃないと駄目っすね〜 と、思ったのですが、今度は、そんな固い素材は素手で彫れないんじゃね?という事に気が付きました・・・
しかも、刻印する時にはそこそこの力が加わるので、ガラスの様に脆い素材では壊れてしまうので、それなりに丈夫な素材である必要性もある、という事になりますよね・・・
・・・・・なるほど!
だから、比較的加工し易い金属だとか、強度のあるアクリル板などが、刻印の素材として使われてる、という事や、比較的加工し易いとは言え、それなりの切削工具や粉塵対策が出来る工作環境が必須、というハードルの高さがあるのだなぁ、と。
レザークラフト用の刻印が、自力では簡単に作れない理由、ここでようやく理解できましたw
まぁしかし。
Mr.型取りブロック出動!
素人とは言え元がガンプラオタクなので、こういう道具を持ってたりしますw
素手で彫った物を、レジンで複製すれば、かなり固い複製品が出来るじゃないか!と気が付いた訳です。ええ。
早速、長年使ってなかったシリコンとかレジンとか、その辺の道具や材料も、押し入れから引っ張り出してきました。
さて、そんな訳で、必要な物を集めて、色々と実験していく事にしました。
ダイソーの油粘土。
とりあえず、ダイソーで油粘土を購入。粘土に、原型を半分埋め込んで固定します。そうしないと、シリコンを流し込んだ時に原型が押し流されて動いてしまいますからね。
思えば、最初にレジンでの複製に挑んだのは、アッガイの腕でしたね〜
サイトを確認した結果、アッガイの腕の複製って、2014年にチャレンジしてた様なので、その頃に購入した、シリコンやレジンとか、今でも使えるのか??という不安がよぎります・・・
隙間なく敷き詰めた粘土に原型を埋め込み。
うーん・・・どうやるんだっけ・・?w
シリコンが・・・固いw
長年放置していたMr.シリコン。
樹脂粘土ほどではありませんでしたが、こちらもかなり固まってしまってて、トロ〜リとは全然流れてくれませんw
めちゃくちゃ柔らかいお餅程度?という感じの固さになってしまっており、これをスプーンでちぎり取る感じですくい出して、なんとかプラスチック製の使い捨てコップに入れました。
ここで計量しながら硬化剤を入れて混ぜたのですが・・・
まぁ、混ぜ難いし、シリコンの主剤と硬化剤が混ざらないし、で悪戦苦闘。
どうにか流し込みましたw
コップから硬化剤がこぼれるわ、なかなか流れてくれないわで、とんでもなく悪戦苦闘しましたが、どうにか型に流し込みました。半分、押し込んだという感じです。
意外と無事にシリコンが硬化してくれました!
プラスチック製の使い捨てコップで、強引に硬化剤と混ぜたのですが、そもそもかなり粘度が強くなってた上に、狭いコップの中だったので、ちゃんと混ざったのかかなり心配だったのですが、しっかり隅々まで硬化してくれてました。
シリコンが硬化してくれたのは良かったのですが・・・
はい!失敗!!w
久しぶりなので、うっかり剥離剤(シリコーンバリアー)を塗るのを忘れてましたw
一応は外せましたが、あちこち細かい部分が千切れてしまいました。それと、隅っこが一部、完全に切れてしまっていて、ここにレジンを流し込むと、全部流れ出てしまいますね。
Mr.シリコーン・バリアー投入!
はい、ちゃんと持ってるし、ちゃんと準備してたのですが、久しぶりの作業な上に、色々と思った通りに進まず、完全にテンパってしまったので、思いっきり塗り忘れてしまいました。
今回は使い捨てコップは使いませんでしたw
シリコンについては、硬化剤を混ぜるのに使い捨てコップは不向きなので、今回は、余ってた100均のタッパ容器を使って計量を行い、ここで硬化剤を混ぜました。今度はしっかりガッツリ混ぜれましたので安心ですw
しかし、サラサラした液状では無いので、なかなか大変です。
今度は綺麗に外せました!
一回目と比較すると・・・白飛びしててよく判りませんねw
どうにかシリコン型が完成しました。
このシリコンの型に、今度はエポキシ樹脂を流し込むのですが、まずは今まで使った事が無い、TAMIYAの透明レジンを使ってみることに。
これは、一時期はまったUVレジンでのハンドメイド・アクセサリー作りの延長で、更にクリアな作品を作ろうとして購入した物ですが、こちらは逆に丁度、コロナ禍によって仕事が激減した頃に作るのを止めてしまって余ってた物です。
2液型のTAMIYAクリアレジン。
透明度が高いことが売りの2液型レジンです。
完全に話が脱線しますが、、、
それまで、仕事も割と順調で、生活にも多少の余裕があり、家族でハンドメイド作品のバザールとかフリーマーケットとかに行くようになっていて、そこで知ったUVレジン・アクセサリーに挑戦してみたりしてたのでした。
で、私に限って言えば、まぁ可愛いアクセサリーでは無く、どうしても厳つい作品を作る様になり、それにはUVレジンでは物足りなくなっていたのでした。
そんな矢先に、ちょうどコロナ禍が発生し、趣味どころでは無くなって止めてしまったのです。
その後、こんなに長く仕事が入って来なくなって収入が途絶えたり、遂には時間を持て余してしまい、心のバランスを維持する為に、レザークラフトに挑戦するようになるとは、よもや夢にも思いませんでしたw
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さて・・・話を戻しましょうw
このレジンは、2液型でして、主剤と硬化剤の割合は2:1という判り易い割合です。ちなみにMr.シリコンは、100:4という割合ですからねw
なので、小数点以下まで測れる「デジタル・キッチンスケール(はかり)」が必須です。
更に、今回は透明である必要は無いというか、むしろ透明だと、絶対に必要になる硬化してからの修正作業で、修正箇所が見難くくなる事が予想されるので、色を付ける事にしました。
刻印を機械切削で作る場合は、絶対に透明の方が良いです。どこに刻印するのか目で確かめられるというのは大きなメリットですからね。
若干、レジン液が残ったので、失敗した型にも入れて見ましたw
出来ました!
試作型 樹脂刻印 第一号
このTAMIYAのクリアレジンですが、硬化時間は24時間・・・え?いや、そんなに掛るんかい!って流し込んだ後で知りましたw
なので、丸一日+α放置しました。αの部分は、正直、24時間も放置すると、レジンの事などすっかり忘れてしまてって、他の用事をしてたからそうなっただけです。
結論から言いますと、硬度は充分です。
しかし。
次回、改めて説明しますが、問題が幾つか。
まず、「気泡」ですね。
ただし、これは充分予測していて、絶対に修正が必要になることが判ってたので、敢えてレジンに色を付けたのでした。
それと・・・やはり、硬化時間がちょっと長いw
結果が出るまでに時間が掛かり過ぎて、あまりにも作業効率が悪いです。
結果を見ないと、次の為の改善点が判りませんし、判明した箇所を試行錯誤しながら修正するのにも時間は掛かります。
そして、そうやって改善してみた結果が出るまでにまた丸一日掛る、というのは流石に・・・ね。
もちろん、一回でもちゃんとしたものが出来てしまえば良いんですがね。
次回に続きます。が、しかし、なかなか面白いチャレンジになってきました。
この試作一号で、実際に刻印してみましたが、確かに硬度は充分なのですが、このままでは使えません。色々と問題を抱えておりました。
試作で判明した問題点、これから判明する問題点を、それぞれ解決出来るのかどうか?をしばらく試行錯誤してみようと思います。
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