レザークラフトに挑戦
No.33
2022.05.28

【オリジナルロゴ アルミプレート 失敗】


 世の中はすっかりアフターコロナの生活となって良かったとは思うのですが、成すすべなく生業を失ってしまった我々の様な極一部の事業者は、ただただ置いてけぼりというのが実感でしょうかね。


 まぁ、愚痴を言っても仕方が無いので前に進むのですが・・・愚痴も出ますよ・・w


 さて今回は、結局失敗に終わってしまったのですが、9V電池を使ったエッチングによる、オリジナルプレート作りのお話です。


 最初にハッキリと『失敗しました』と書いておきますw


 ただ、将来的に多少なりとも得るものがあるかと思うので、記録しておきます。



【目次】


9V電池を使ったエッチングへの誘い

最初の難関→転写。

電解エッチングの実験開始!!

何となくの結果と挫折・・・




 今回のチャレンジは、免許証入れを作った結果、完成後にサイズをミスしてた事に気が付いた訳ですが、そのサイズを修正して、改良版を作ろうとした事から始まりました。


 柔らかくて綺麗なベリーの革がまだあるので、それでもう一度作ろうとしたのですが、この革はあまり綺麗な刻印が打てないので、ロゴ・プレートを取付けよう!と、また無謀な事を思いついてしまったのでした・・・。


 もちろん、業者さんに頼んで作ってもらえば良いのですが、当然ながらお金が無いので、自力で作ってみることに。


 プレートと言っても、革でも作れるので、それはそれで後日チャレンジすることにして、もっと難易度の高い金属プレートに挑みました。



 色々と調べて想定した手順なのですが、、、



 1.自宅のインクジェットプリンターでロゴマークを反転印刷する。

 2.コンビニのレーザーコピー機でコピーし、インクからトナーへと変換。

 3.金属プレートに転写。

 4.塩とクエン酸とオキシドールと9V電池を使ってエッチング開始。


 という方式です。


 Youtubeとかで見る限り、意外と簡単そうに見えるので前から挑戦したかったのです。

 はい。

レザークラフト 33 電解エッチング 01

 ちなみに、一番最初に用意したのが何故かコレw


 というか、ホームセンターでこれを見掛けて、やってみよう!精神に火が灯ったのは秘密ですww


 何がヤバいって、これだけ買ってきて、「よし!やるぞっ!」って思ってしまった事ですw


 よく考えたら、ワニ口クリップを1ペアだけ持ってても何も出来ませんよね・・・


 ・・・・せめて2ペアないとね。






 さて、実際の作業に入っていきます。


 まずロゴは決まってるので、それを自宅のインクジェット・プリンターで反転印刷する事については特に何も問題もありません。


 レーザープリンターを持ってる場合は、それでOKですが、我が家にはそんな高価な機械は有りませんので、コンビニでコピーしてきます。


 コンビニのコピー機は、レーザープリンターと同じ方式のトナー印刷なので、これでインクジェットのインクが、レーザープリンターのトナーに置き換わる訳です。


 何をやってるかと言いますと、インクジェットで印刷した物は水に付けると溶けちゃいますが、レーザープリンターのトナーは溶けずに残ってくれるのです。

 この性質を利用して、プリンター用紙に熱によって印刷された文字や模様を、別の素材に転写してから水で紙だけ溶かせば、文字や模様が転写できる、という小技を利用する訳です。


 はい。ややこしいですねw


 文字にすると小難しいですが、要するにレーザープリンターやコンビニとかのコピー機でコピーしたの文字や模様は転写可能だという事ですw

レザークラフト 33 電解エッチング 02

 簡単そうに書いて置いて、全く簡単じゃ無かった転写作業・・・


 まず、今回用意した実験用の金属プレートは、ダイソーのアルミシート。


 もちろん、とりあえず実験用に使ってるのであって、本番ではちゃんとしたアルミのプレートを用意する予定です。


 で、上の写真の左部分。 模様が擦れてるというか、ちゃんと転写出来てませんよね。


 このプレートだと、そのままでは全く転写出来ませんでした・・・


 右側の、転写が成功してる様に見える方は、アルミシートの表面を細かい目のヤスリで擦ってから転写してみたものです。


 ちなみにですが、アイロンを使う方法もある様ですが、理屈はよく判りませんが今回に関してはアイロン作戦は全くダメでしたので、Mr.カラーの薄め液を使う方法でやってます。

レザークラフト 33 電解エッチング 03

 転写のコツを掴んだので、ここから本気を出して行きます!


 アルミ板をヤスっておく事はもちろんなのですが、最大のコツは、Mr.カラーの薄め液でしっかりヒタヒタにすることでしょうか。


 ヒタヒタにした状態で、クリアファイルの様なもので挟んで、木の板か何かでしっかり擦り付けると、成功率が飛躍的に上がりました。



 尚、転写のコツを掴むまでに数日を無駄にしています!ww


レザークラフト 33 電解エッチング 04

 細かい文字まで綺麗に転写出来るようになりました。


 この黒いトナー部分がマスクとなって、白抜きされた部分だけが溶かされて、金属プレートに模様が彫り込まれる予定です。


 昔から化学が大の苦手なので、詳しい事は判りませんが、金属を酸で溶かす為に、色々と準備が必要という事です。


 本気のエッチングでは、専用の腐食液を使うのですが、この腐食液の取り扱いがかなり面倒だし、割と毒物だし、迂闊に扱うと下水の配管を溶かしてしまったりするのだそうで、知識の乏しい人間が扱うのは流石にちょっと怖いので使いたくありませんww


 なので、今回はもっと気軽に、塩とクエン酸とオキシドールと電池を使った方法でやってみようという訳です。


 今回使う液体は、オキシドールに、クエン酸 4 : 食塩 1 という割合で溶かしたものを使います。


 どうしてそれらをその割合で使うのか?ですが・・・


 「インターネットで見た」 からですww


 正直、理屈も何も全く理解出来ません・・・orz

レザークラフト 33 電解エッチング 05

 電気側ですが、改めてワニ口クリップをもう1セットと9V電池用のバッテリースナップとかを購入してきました。


 リード線は、以前にパソコンケースを改造してた時に買ってたのでそれを流用します。



レザークラフト 33 電解エッチング 06

  ワニ口クリップは、もう一回り大きいのを買うべきでした・・・


 文字にするのが難しいのですが、この小さいサイズのヤツは・・・かなり使い辛いです。

レザークラフト 33 電解エッチング 07


 動画で実践してる方々は、ワニ口クリップを、四角い9V電池の電極に直接つないだりしてる事が多かったですが、なんか速攻で外れそうなので、バッテリースナップを使います。


 しかし・・・スナップから出てるリード線ですが、これをワニ口クリップで掴むのはちょっと厳しいです・・・


レザークラフト 33 電解エッチング 08

 なので、スナップのリード線の先に、家に余ってたギボシ端子を半田付けし、一応ですが、熱収縮チューブで保護しました。


 これならワニ口クリップで掴めます。

レザークラフト 33 電解エッチング 09

 ちょっとした工作が完了しました。


 これで、反対側のワニ口クリップで、酸に浸した綿棒を掴んでエッチングします。






 周囲に影響が及ぶといけないのでマスキングする場所を広げるのですが、今回は、いつ買ったのかすら判らないくらい古いマスキングゾルを使ってみました。


 値札に「キディランド」って印字されてるので、恐らくは大阪梅田のキディランドですが、キディランドでこんなもんを売ってたなんて、もう何十年前の話でしょうか?ww

レザークラフト 33 電解エッチング 10

 さてさて。


 準備が整ったので、実験開始です!

レザークラフト 33 電解エッチング 11

 思ったより反応がありませんw


 が、しばらく我慢してると、どうにか静かに泡が生じ始め・・・何かしら化学変化が起きてることが判ってきました。


 という事は、ここまでの準備は一応は合ってた模様です。


 まぁ、インターネットで見た通りの準備をしただけではありますが・・・w


 しばらく粘ってから、一応、様子を見る為に水道水で流しながら、酸を中和する為に重曹で洗ってみました。


 強酸性の液体を使って電解エッチングをやったので、中和が必要らしいとの事なので。









 その結果。


レザークラフト 33 電解エッチング 12

!!


 ・・・ん〜・・コレはなんだろう?



 電解させてた時は模様や文字がハッキリ見えてたんですが・・・なんだコレ?



 白い錆?の様な物に覆われてしまってるので、ヤスリで擦ってみました。



レザークラフト 33 電解エッチング 13


 しばらく削ってると、何となくですが、模様が見えてきました・・・




レザークラフト 33 電解エッチング 14


 ・・・確かに、模様も文字も、ボンヤリとではありますが、アルミに刻み込まれてはいますね。

 ただし、あまりにも彫りが浅いのと、トナーでマスキングしたハズの部分が、QRコードみたいな模様にww


 もっとヤスリ掛けすれば良いのでしょうかね???



レザークラフト 33 電解エッチング 15


 ・・・全部削れて心霊写真みたいにwww


 何がいけなかったのでしょうかね・・・






 とりあえずここからは、ダイソーのペラペラの薄いアルミシートが原因かも知れないという疑惑が拭いきれないので、ホームセンターで買った、ちゃんとしたアルミ板を使います。


 とにかく化学が大の苦手なので、失敗の原因が見当も尽きませんw


 全くもって判らないのですが、トナーでマスクした部分がグチャグチャになってるのに対し、マスキングしていない白抜きの模様部分は一応は綺麗に削れてましたし、マスキングゾルでマスクした部分も綺麗でした。



レザークラフト 33 電解エッチング 16


 という事は・・・?


 ・・・どういう事でしょう・・・?www


 全然判りませんが、トナーのマスクが突破されてることは確実っぽいので、マッキーで上塗りする事にしたのでした。


 その結果。


レザークラフト 33 電解エッチング 17


 右端の薄っすら見えてる模様が、第二回の実験結果です。


 なかなか綺麗に彫れた様ですが、彫ってる時間が短過ぎたのでしょう、やはり浅いです。


 今度は、塩の割合をもう少し増やして、じっくり彫り込んでみます。



 そして・・・


レザークラフト 33 電解エッチング 18


 やはり、酸を洗い流す際にこうなってしまいました・・・


 明らかになんか間違ってますよね・・・


 尚、下の小さい方は、途中でマスクが剥がれてしまったので、この時点で失敗は確定してます。

 
 錆って言うか・・・白い部分はひょっとして・・塩の結晶的な事なのかなぁ・・?


 舐めてみる根性はとても持ち合わせませんので判りませんw



 まぁそうは言っても、多少なりとも期待を込めて、頑張ってヤスリで削ってみました。

レザークラフト 33 電解エッチング 19


 ・・・お、おぅ。


 こうしてよく見ると・・・文字とかかなり細かいのに綺麗に彫れてはいますね。


 塩の割合を増やしたからか、エッチングの際も、ジュージューと音が鳴ってましたし湯気も出てましたから、なんか強力に掘り進んだ感はありましたw



 がしかし・・・


 これではちょっと使い物になりませんねぇ。


 どうでしょうかねぇ・・・良い感じに進展してる気はするんですが、何か根本的な事が間違ってる気がしてなりません。



 この白い錆?の問題もそうですが、なんか基本的な知識が無さ過ぎて、どこで何を間違ってるか?が皆目分かりません。



 正直、調べ方すら判りませんwww



 もう少し腰を据えて挑戦してみたいのですが、ちょっとその余裕が無いので、今回の電池エッチングによる、ロゴマークのプレート作りは、ここで一先ず終了とすることに。



 アルミ板以外の、ステンレス板や銅板で試そうとも思ったのですが、産業廃棄物的なゴミが出ることや、それらが全て上手くいったとしても、求めているレベルの物が出来る可能性が低いように思えて来たのでしたw


 たぶん、私が求めてるのは、レーザー彫刻機だと思うのですが、まぁ今の経済状況ではとても手が出ません。


 手が出ないと言っても、数万円レベルの話なので、コロナ禍以前なら普通に買えたであろう金額な訳で、そう考えると悔しいのですが、この件はここで区切りを付ける事にしたのでした。


 お金が無いって、こんなに悔しいのか・・・と、今さらながらに思い知ってる事と、多少とは言え余裕があった時には、こういう心情について想像も出来なかった自分の浅はかさを噛みしめつつw


 さて。


 そもそもこのコーナーの主題はレザークラフトなので、当分は革を使ってロゴマークのプレートを作る事にして、新たな作品作りに進む事にしますw



 
 










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