レザークラフトに挑戦
No.78
2024.11.21
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【コバ仕上げ剤の塗り棒】
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以前、少し取り上げたコバ仕上げ剤の塗り棒のお話です。
当然、プロの職人さんとは技量が全く異なるので、ここに書いてる事は何の参考にもならないとは思いますが、こういう試行錯誤を経験しました、という記録が目的ですのでご了承下さいませw
【目次】
・新しい道具の到着。
・どれが使い易いのか?
・最高の道具を自作してみる!
・まとめw
以前にも少し触れましたが、コバスーパーを初めて使った時は、ネット情報を参考にして手持ちの目打ちを使ったのですが、思った様に使えませんでした。
色々と考えた挙句、今度は手持ちのプラ棒を切って使ったのでした。
ガンプラ趣味を持ってたお陰で家にはプラモデルを作るのに必要な工具や部材が色々ありますのでw
その後、プラ棒が太過ぎると感じたので、プラ棒に真鍮線を差し込んだツールを自作。
この組み合わせで暫く落ち着いていたのですが、やはりどうも何か違う気がするので、アレコレと考えていた矢先、100均のダイソーで、ネイルケア用?のスパチュラを発見。
半分程度に切って使ってみた所、これが想像以上に使い易かったのでした。
という事で、この2つがメインとなったのですが、その後、コバスーパーよりも粘度の低いフェニーチェを購入しまして、、、
同時に購入をお勧めされたツールが、また初めて見る感じの道具でしてw
ちなみに、色々と調べた結果、この先端がクルクル回転する道具は、既に似たようなのが沢山売られてまして、値段もお高いのから安い物まで様々。
このサイト的には、こういう場合はちゃんとした道具を買うべきなのですが、どれがちゃんとしてるのかが判らないので、とりあえず適当な物を買ってみることに。
届いたのがこのセット。
これを選んだ理由は、先端が回転するタイプが2種類あるのと、もう一つ、金色の鉄塊みたいなのがありますが、これがかなり気になってたからでした。
この3点セットで約2,000円でした。
一番気になってた金色のやつは、実はまだ使ってませんw
理由は、まだ使う機会が無いからというだけです。
この四角い金属の塊の上面にある窪みに塗料を溜めておいて、その塗料を巻き上げる形で転がるローラーにコバをあてて転がす仕組みなのですが、使用後にその窪みに溜まった塗料は無駄になります。
その無駄になる量が気にならないくらい、大量にコバ処理をする時に使うべき道具だと思うので現時点ではまだ出番ではない、という判断ですw
で、もう一つ、先端が三角錐になってるやつがありますが、これは何度も練習で使ってみましたが最終的に不採用に決定。
理由ですが、この形状だと接する部位によって円周長が異なる、つまり細い先端ほど進む距離は短く、太くなるにつれて円周長が長くなる訳で、平面を塗る限り、どうしてもその差が生じてしまい、結果として直線を塗る際にはスムーズに回転させるのが難しくなる、と思うのです。実際、そうなって使い難かったです。
もっと値段の高い物だと何か工夫があるのかも知れませんが、私が試した物に限って言えば、ま、ちょっと使い辛いかな?という結論になりました。
そして。
残りの円柱状の方ですが、なるほどこれは使い易いですね!
割と安価な物を買ったので回転がスムーズじゃないかも?と心配しましたが、別にそういう事もなく、とてもスムーズに回転してくれます。
先端が回転してくれる為、棒を持ち替えずにサーッと一気に塗り進めることが出来るのでとても効率は良いです。ただ、後で指摘するデメリットはあります。
とりあえず、これまでに使ってみた塗り棒たち。
一番上の目打ちと、下から2番目の円錐状のやつは使い難かったので除外して、残りの4つについて。
A.プラ棒:使い易いのですが、先端に付着する塗料が多過ぎるので、コバに適量を乗せるのが難しいです。表面張力を上手に使ってやれば良いですが、ちょっと面倒w 細かい部分も苦手。
B.自作のプラ棒+真鍮線:これは逆に付着する塗料の量が少な過ぎて、1回で2cmくらいしか塗り進めることができません。なので、長いコバを塗るのが大変。ただし、細かい所はとても塗り易いです。
C.スパチュラを切断した物:適量の塗料が乗るので、あまり神経を使わずに塗り始められ、指で転がしながら使うと長いコバでもスムーズに塗り進められます。適度に細いので細かい所も余裕。現時点では一番使い易いです。
D.先端が回転する塗り棒:丁度、Aのプラ棒とほぼ同じ太さなので、抱える問題も同じなのですが、先端が回転してくれるので、一回の動作で塗れる面積が段違いに広く長いので、ある程度はデメリットを相殺してくれます。
という訳で、ネイル用スパチュラを切った物が断然使い易いのですが、新兵器である、先端が回転するタイプの塗り棒も使い易いというか、存在意義のある道具だという事が判明したのでした。
さて。
自分の指で回転させると、自分の感覚で回転させることが出来るのですが、ゴム手袋をして作業すると、ゴム手袋を巻き込んでしまうので、割と鬱陶しい事がありますw
なので、先端に回転機構があるのはとても有意義だと判ったのですが、先にも書いてる通り、ちょっと太い。
という事は、使い易いと感じてるネイル用スパチュラが回転する様な道具を作れば良いんじゃないのか?という発想に。
・・・いや、レザークラフトやれよ!ってな話ではあるのですが、定期的にこうやって余計な事にハマってしまうんですよね、ええ。
最初に思い当たったのが精密ドライバーですが、100均の場合、精密ドライバーは300〜500円のセットで売られてる事が多く、既にちゃんとした品質の精密ドライバーを沢山持ってる身としては、ちょっと買うのを躊躇ってしまいましたw
で、そんな矢先、発見したのがこの手芸用のハンドドリル。
このままでも使えそうですが、先端をお気に入りのスパチュラに差し替えれば完璧ですよね?という事で、この先端のドリルを引っこ抜くことにしました。
ドリルせんのかーぃ!
・・・はい。
熱してから引っ張れば、割と簡単に引っこ抜くことが出来たまでは良かったのですが、そこにスパチュラと同じ太さの穴を開ける方法が無いことに気付いて断念www
いや、そりゃそうなりますよね?w
ただ、このチャレンジで新たに思い出したのがピンバイスです!
現時点で一番お気に入りのスパチュラをピンバイスに装着すれば、目的の道具が完成する!ということに気付きました。
先端が回転するツールとは違って、指を使ってで自力で回転させないといけませんが、ゴム手袋を巻き込む鬱陶しさを解消するのが本来の目的ですからね。
という訳で、我が家にあるピンバイスを集めてみました。
長過ぎると使い辛いと思うので、一番短いピンバイスを使うことに。
今使ってるお気に入りのやつは温存したいですので、念の為に買い置きしてる、もう一本のスパチュラを加工します。
今度は両端を切断して、かなり短くしてしまいます。
遂に出来ましたぞ!!ただ組み合わせただけw
理想的なサイズで、しかも回転機構があり、何なら先端は取り換え可能!
早速使ってみました!!
・・・ん〜・・・w
当たり前ですが、ピンバイス側の方が径が大きいので、ピンバイスを回転させた程には、先端が回転しないんですよね。いや、回転数は同じですが、全然進まない訳です。
めちゃくちゃ効率が悪いです。 はい。
梃子の原理ですが、この場合は力の強弱は必要無いので、単純に大きな仕事で小さな結果を生んでしまう使い方になってしまう、という事に気付きませんでした。
ストレスが溜まるだけでただただ面倒くさい道具が完成してしまった、という結果に。
要するにアイデア自体に欠陥がありましたw
結局、この3つの道具を使い分ける方式が、一番ストレスも失敗も少なく作業出来ることが判ったので、当分はこれでやっていくことにしました。
と言うか結局のところ、この真ん中の、ネイル用スパチュラを切った奴でほぼほぼ全ての作業が可能です。
さて、肝心のコバ仕上げ剤の効果について。
結局、ダイソーのネイル用スパチュラを切った物しか使ってませんけどもw
それはともかく、全くはみ出すことなく綺麗に塗れました。
上の写真は、左側が一通りの処理を済ませた後にフェニーチェのニュートラルを塗ったコバで、右側は何もしてない、切ったままのコバ。
ちなみにこの作品は床面は何も処理してません。処理しなくても良い感じの革を選んで使うことにしました。手でしょっちゅう触る場所なので、汗も含め、濡れた手で触ることもあろうかという判断からです。処理剤が溶けてヌルっとするのは避けたいですのでね。
切っただけで何もしてない状態。
ニュートラルを重ね塗りしたコバ。
フェニーチェのニュートラルを重ね塗るだけで、かなり綺麗な仕上がりになりますね。
コバスーパーは白と茶しか使った事がなく、その他の仕上げ剤も使ったことが無いので、私には比較出来ないのですが、現時点ではフェニーチェに完全に満足しています。
初心者ですので、安いハギレを買って練習や実験や試作に使ったりするのですが、床面の色やコバの色が変な色というか・・・銀面の色に関係無く、床面がライトグレーという革が割とあって、どうしてそういう色になるのかは不勉強でよく知らないのですが、このサイトでもずっとダイソーの謎の白い革と呼んできたような感じのものがあります。
そういう感じの、床面の色があまり革っぽくない感じの革に関しては、コバをニュートラルだけで塗るとかなり違和感が出ますので、何かしら色を上塗りした方が良いのですが、はみ出るとかなり目立ってしまいますので、かなり気を付けないと台無しになってしまう、ということは書いておこうと思います。はい、もちろん、自分用のメモですw
という訳で、ヌメ革以外の革のコバをどう仕上げるのか?をほんの少しだけ勉強した感じになりまして、コバ仕上げ剤をちゃんと使ってみる、というのは新たな学びとなりました。
それ以外にも、薄く漉いて折り返したり、裏地と組み合わせたり、そもそも床面もコバも露出しない構造にしたり、逆に一切気にせず素材そのままワイルドに仕上げるとか、それこそ色々と方法はある訳でして、好きな様にやれば良いとは思うのです。
ですが、好きな様にやるにもそれ相応の知識と経験が必要で、、例えばミシンなど、別の道具やそれらを扱う知識が必要になってきたりもする訳で、初心者にとってはまた新たなハードルが立ちはだかってくることになります。
いや、それが勉強というものではありますがw
何もかもを一気に習得することは無理ですので、即応出来ないことにはなるべく手を出さない様に気を付けつつ、少なくとももう少し綺麗な作品が作れる様になるまで、引き続き現状のまま試行錯誤を続けて行こうと思います。
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