パソコン記
エピソード48
2020.06.04

【暇なのでケースをちょっと改造しました。中編】




 前回、ケースファンのケーブルコネクタが合わない!ってな小さな問題が発生した訳ですが、前回のラストでも書いてる通り、そんなもんは、変換コネクタか変換ケーブルを使えばどうにでもなる訳です。

 では、何でそういう簡単な解決方法を選択しなかったのか?

 それは、他にも問題が発生してるから。 なんですよね・・・

 もちろん放置も可能ですし、実際に今まで見て見ぬ振りをしてきた訳です。はい。

 しかし、折角なので、そういう諸問題も一気に解決してしまおう!という気になったのが今回ですw

 しかも、そのついでに、季節によって必要だったり、逆に不要となる、PCケースのフロントパネルの吸気ファンのスイッチも増設しよう!という事になりました。



【目次】


 ・問題点の整理から

 ・手探りの序盤戦。

 ・いざ!工作活動開始!w





 まず、問題点を箇条書きにしてみますw

 1.フロント側のケースファンが機能してない。

 2.使ってない5インチベイのブランクパネルが壊れて抜けてしまってる。

 3.DVDスーパーマルチドライブが故障してる。


 4.フロントパネル全体の防塵フィルターが劣化して朽ちてしまってる。

 
 フロントパネルが抱える問題点としては、これらがほぼ全てなんじゃないか?と言うラインナップですねw


 では、解決策も箇条書きしてみましょう。


 →1.ファンが機能する様に修正する。

 →2.何かで抜けてる箇所を塞ぐ。

 →3.新しいドライブに換装する。

 →4.
フィルターを交換する。


 という事になるかと思うのです。

 ちなみにこれが現在の工事予定現場ですw



 このPioneerのDVDスーパーマルチドライブも壊れてるのですが、それとは別に、その下のブランクパネルが外れちゃってるんですよね。これ、パネルを固定するツメが折れてしまってて、下のパネルと針金で連結して支えてる、という不細工な状態なのですw


という訳で、問題の  と  の解決を兼ねて、この5インチベイの空きスロットに、フロントファンのON/OFF用スイッチを増設しようという計画になりました!w


  と  に関しては交換するだけの話で、後からでもどうにでもなるので、ここでの優先順位は  が最高位(いや、3 のDVDドライブだと思うけど・・・w)になるのですが、電気関係の細かい決まり事が苦手な自分なので、何をどうすれば良いのかチンプンカンプンです。

 ともかく、ケースファンとか、その辺りについて色々と勉強しながら作業を進めることにしました。


 そんな訳で、謎の戦い開始です!



 まずは変換ケーブルですね。



 はい。数百円で色んな種類が用意されています。

 これらを使えば、直面してる問題=PINの数が合わない問題は即座に解決します。

 「変換名人」のコレだけで3PINと4PINの変換でも解決しますし、もう一方の「FAN分岐ケーブル」で、電源ユニットから直接電気をもらって問題解決も可能。どっちにしても即座に解決します。



 ・・・ん?そう言えば、パソコン側から出てきてた3PINのファン用の電源ケーブルどこから出てきてたんだろうか?前回は、どっから来てようが大した問題じゃ無いから、と無視しましたが・・・



 え〜と、まぁ後で考えましょうw


 ・・・大事な問題な気がするんですけどねぇ・・・


 ともかく、今回はスイッチを取り付けたいので、スイッチの勉強へ。


 まずは、簡単な回路を作って、リード線の扱いとか半田付けとかを思い出します。具体的にやってみないと、何をどう接続するのか?が頭の中でイメージできませんw


 近所のコーナンで、とりあえず必要に思える、理科の実験セットみたいな部材を揃えてきました! もちろん、セットでも何でも無く、普通にパーツコーナーを漁って買ってきただけですが。

 コロナ禍による営業時間短縮で、なかなかこういう物も入手し難いのですがね・・




 電源=電池ボックス、パソコン内部のファンケーブルと同じ色の3色のリード線(赤・黒・黄)、豆電球、スイッチは2種類あったので一応、両方買ってみました。

 スイッチは、他にも種類がありましたが、出っ張りが少ないプッシュボタンを選択。出っ張りがあると必ず何かを引っ掛けて壊してしまいますのですねw




 豆電球をケースファンに見立てて、スイッチでON/OFF出来る様に組めば良い訳で、それを拡張するくらいな感じの脳内イメージが出来ると良いかなぁ?という感じです。




 実際にやってみたのですが、赤(+)と黒(-)の2種類のリード線を、豆電球から出てる導線に接続し、継ぎ目を熱収縮チューブで補強すれば良いだけですよね?




 ところで・・・・?  電気は、プラスとマイナスがあれば流れる訳で、それじゃ残りの黄色の線の役目って何だろうか???と素朴な疑問が。


 ここで調べてみた結果、赤(+)と黒(-)は良いとして、ファンの黄色線は、ファンが発する回転信号をマザーボードに送る為の線だそうです。へぇ〜・・・

 更に、4PINコネクタの場合は、ケーブルが何色かは知りませんが、ファンの回転数を制御する信号用という事でした。なるほどなるほど。

 4PINの場合は、このPWM制御が可能、という事になる訳です。

 なので、CPU冷却ファンの場合は、4PIN=PWM制御が可能になっていて、必要に応じてファンの回転数が変化する、という訳です。


 なるほど、勉強になりますね〜!





 ・・・なんか心のどかに何かが引っ掛かる気がするんだけど、ここでは無視しますw




 そういう訳で、実験回路が完成しました!では、スイッチON!




 ↓↓↓ ボタンが押し下がってるのが判りますよね?^^; なのに・・・




 ん〜・・・点灯しませんね・・?


 こんな簡単な接続のどこにミスがあるのか・・・orz


 ・・・しばし悩みながら、あれこれ触ってると・・・買ったばかりなので、ソケットが緩められたままでしたw 速攻でしっかり締めます。


 気を取り直して、スイッチON!



 無事点灯!実験は成功しました。では、もう一つのスイッチである、タクトスイッチでも挑戦してみます。



 こちらは端子が4つあるので、どれとどれを接続すれば良いのか、袋の裏面の説明書を確認してから半田付け。




 完成したらスイッチON!




 無事点灯! ここで、スイッチの種類について勉強です!


 最初のスイッチは、オルタネート・スイッチと言って、押すとONのままとなり、もう一度押すとOFFのままになるタイプ。今回必要なのはこのタイプですね。

 もう一つのタクトスイッチですが、これはモーメンタリ・スイッチというタイプで、これは押してる間だけがON、離すとOFFになるタイプです。

 この違いを知らないと、見た目のデザインだけでモーメンタリ・スイッチを買ってたら、また買い直しが必要になりますが、今回はたまたまオルタネート・スイッチを購入してたので結果オーライですw ちなみに、通販でもう少し格好の良いのを探しましたが、意外と無いもんですね。あるのは1000円以上出せばあるんですけどもw

 それと、途中で気が付いたのですが、我が家にある一番細い熱収縮チューブでは、今回購入した黒と黄色のリード線を締め付けることが不可能だと判明。

 今回、用意した赤線は0.18mmの12芯なのですが、黒と黄色は0.12mmの10芯と細すぎて、収縮したチューブが余裕で抜けてしまうのでした。




 という事で、こういう用途での、リード線の太さ何かしらの制約があるのか?と気になって、これも調べたのですが、この辺が、私の苦手な分野なんですよねw

 リード線の太さの事なんか、今までの人生の中で考えた事も悩んだ事も無かったですからね。

 それでも先日の火事騒動を経験してるので、電気の事ですから、知らずに迂闊な事をやって何かあると怖いですからね。はい。完全にトラウマになってますw


 なので、安全面についてはちゃんと調べてからやろう、と。


 とりあえず、今やろうとしてるケースファンの工作ですが、ファンは12Vで0.16Aという仕様。リード線は、撚り線(0.12mmとか0.18mmという極細の導線が、10本とか12本縒り合されてる線)で、この場合は、線の断面積で計算するそうです。


 単位はスケア

 ・・・これまでの人生で一回も聞いたことの無い単位が登場ww

 面積なのでπr2乗(半径×半径×3.14)ですね。


 数学自体は嫌いじゃ無いんですがね・・・理科の計算は大嫌いなのです。理由は判り易い数字の答えが出てこないからw


 1mmの線なら、r=半径だから、半分の0.5×0.5×3.14=0.78スケア

 0.12mmが10本だと、1本の断面の半径は0.06mなので、

 (0.06×0.06×3.14)×10=0.113スケア

 という事らしいです。

 ほら出たw 変な数字w だから理科の計算は嫌いですw

 いや、一応、計算は判りますよ?でも、その結果出て来る、この中途半端感が満載の数字が苦手で、理科→物理や化学や科学が苦手なんすよね・・・ww

 で、0.5スケアで許容電流が10Aという事なので、今、やろうとしてる工作だと、まぁ、余裕のよっちゃんという訳です。少なくとも、この程度なら、もっと細いリード線でも問題無い事が判りました。

 ・・・なるほど、勉強になりますねぇ〜!
 


 という事で、機能的にはどっちでも問題ありませんが、これより細い熱収縮チューブが近所で売ってないのと、線の太さくらい統一した方が良いので、黒が無かったので代わりに青と、黄色の線を改めて購入し、0.18mm 12芯のリード線に統一しました。



 火事騒動を経験したお陰で、こういう部分に異常に神経質になってる自分に驚いてますが、それほど怖い経験だった、という事ですよ・・・ええ。



 スイッチは、ケースのフロント・パネルの一部壊れてる部分に、フロッピー・ドライブ用の5インチベイを設置して、そこに取り付ける事にしています。

 その為に、ファンケーブルを延長する必要がでてきそうなので、その為の延長ケーブルも追加し、手作りケーブルとファンケーブル接続用のコネクタも自作して、後日、何かの際にはいつでも取り外せる構造にしようと思います。



 という訳で、どこにスイッチを設置すれば良いのか?黄色線がパルス信号送信用だという事も学びました(ん?)ので、適当に手書の設計図を書いてから、いよいよ実践作業の開始です。


 もう少し、黄色の線について調べた方が良いような気がしますけどね・・・



  まず、スイッチを取り付ける為の5インチベイのマウンタの加工を開始します。このドライブ・マウンタを、ケースのフロント・ファン専用のスイッチ・パネルに改造します。

 amazonで適当に安いやつを選びました。数百円で売ってます。



  フロッピー・ドライブ取付用の口が開いてるので、とりあえずその開口部を何かで埋めて、適当にスイッチ用の穴を作って、そこに取り付けるイメージです。




 脳内イメージとしては、手元に厚めのプラ板が無い代わりに、以前、別の用途で使ったアクリル板の端材が残ってるので、それで開口部を塞ぎ、そこにスイッチを設置する場所を作り、残った穴には何かしらフィルター的な物でも取り付けて、吸気口の機能も持たせることにしました。


 本当は、アクリル板の加工は面倒なので、出来ればプラ板で作りたいのですけどね・・・。 手元に無いし近場で売ってないのでね・・・




 ではイメージに沿ってアクリル板を切っていきましょう! ・・・って、アクリル板を扱う時の恒例行事でもある訳ですが、これが結構な難関なんすよね・・・




 プラバンを切る為のP-カッターで引っかき傷を作って行き・・・


 その後、手持ちのあらゆる工具を使って、どうにか目的の形に切り抜くことに成功w




 ・・・プラ板だとこんなに苦労しないんですけどねぇ・・そもそも透明である必要は無いので、アクリル板を使うメリットはあまり無いんです。が、まぁ仕方ありません。




 まだ完成したイメージが出来上がって無いまま進めてますw




 それと、以前に、やはりフロントパネルに使うつもりで買っていたフィルターがあるのを思い出したので、これも切り出して、とりあえずハメてみます。




 ・・・めっちゃ微妙w



 う〜ん・・・この違和感w アクリル板をツヤ消しの黒く塗ればOKかな? とりあえず、スイッチ取付用の穴を開けます。



 ピンバイスでは限界があるので、今度はギターを修理する時に使ったことのある、テーパーリーマーを投入することに。これでグリグリと穴を広げます。




 ネジ穴も同じ要領で開けて・・・自慢の不要ネジのコレクションwからそれっぽいボルトを探し出して、アクリル板とフィルターの取付順を変更し、フィルターを前面側にしてみると・・・



 おおー・・・ま、まぁまぁかな?w ボタンの色は黒が良かったですがね・・w

 ま、なかなかスッキリした感じになりましたw




 裏から見るとこんな感じですw



 次に、いよいよメインの配線作業ですが、スイッチがある部分は、自作コネクタによって取外し可能にしてみます。JSTコネクタという呼称だそうで、これはJST XHという規格のコネクタ。

 JSTというのは日本圧着端子製造という大阪の企業の事だそうですが、JSTという規格は圧着コネクタの世界標準の一つという事だそうです。


 うん!勉強になりますねぇ〜!




  オス側は、本当は基板に半田付けする為の形状なのですが、今回はケーブルを直接半田付けします。下手糞ですが、どうにか成功w




 この不細工な半田付け部分を、熱収縮チューブで隠しつつ、しっかり絶縁していきます。




 チューブは1.5mmのものと2mmのものが手元にあるので、1.5mmで覆った上から、さらに2mmのチューブで2重に施しました。大した意味はありませんw




 スイッチの接点部分も同様に。2重にすることで、多少なりとも保護性能が上がるのと、工作の技術力不足を補う為の強度アップを期待してますw




 こんな感じになりました。




 先に用意した延長ケーブルを半分に切断し、間にスイッチを持った自作ケーブルを挟み、それら同士は自作コネクタで接続する形です。

 自作コネクタのオス側は半田付けすれば良いので、これで良いのですが、メス側はちょっと難易度が上がります

 コネクタのメス側は小さな金属パーツにリード線を挟み込むのですが、これは専用工具が無いとどうしようもありませんw

 下の写真の、赤い方は手持ちの工具で頑張ってみた結果。

 青い方は、後で紹介する、専用工具を使った結果です。



 一見して判る通り、上の赤い線の方と、専用工具でやった青い線とでは、仕上りの美しさが雲泥の差で、強度も不足しており、赤い方のケーブルは速攻で抜けてしまいました。


 こればかりは専用の圧着工具が必須です。で、届いたのがコレ。

 梱包箱が恰好良いです!




 今回は、中国のアイウィスという企業の圧着ペンチを購入。amazonで安くて使い易そうなものを探して、一番安い価格帯の2,000円強で、しかも評価が高く、商品説明もしっかりされてたので安心して購入。




 この手の専用工具は、コネクタの種類によって使えるものとそうでないものがあるので、慎重に品定めが必要ですね。

 それと、この圧着ペンチは、ラチェット式になっているので握りきってしまわない限りは、口が開きません。つまり、少し先を閉じた状態で手を離しても、元通りに開いてしまったりしない構造なので、非常に使い易いのです。ええ。




 使い方は簡単で、圧着ペンチにコネクタを装着。そっと握ると、良い感じの所でペンチの先が閉じて、手を離しても開放されずに固定されます。

 そこにJST XHの専用金具を差し込んでおきます。




 その状態で、数ミリだけ先端を剥いたリード線を差し込んで・・・




 グッと・・・最後まで握ると自動的にペンチの先が解放されて開きます。




 はい、完成! 見事に&綺麗に圧着されてます。




 梱包も恰好良いですし、なんかお買い得でしたw




 まぁ、そんなに活躍の機会があるとは思いませんけどねww

 半分に切った延長ケーブル側も、両端をJSTコネクタに変更完了。

 これを、先に完成させていたマウンタに取り付けます。



 途中で、先にスイッチをアクリル板に取り付けて置かないとヤバいことになりそうな事に気が付いたので、コネクタ作りの途中で取り付けておきましたw

 後で実験しましたが、やっぱりコネクタがスイッチを固定するナットを潜り抜けれませんでした。ヤバかったですねw




さて・・・

完成してから見ると、本当にこんな回りくどい事をやる意味があったのか?という素朴な疑問が湧くのですがww


まぁしかし、フロントファン専用のスイッチ・パネル、ともかく完成しました。

 



 次回は実際に、メインマシンのケースに取り付けて行きますが、そこで色んな事実が判明することにw